居宅から多機能系サービスへの移行のタイミング

居宅からで(単独型)多機能系サービスに移行を検討すると良いタイミングは主に以下かと思います。

① 現状の介護サービス量、もしくは今後想定したい介護サービス量では、対象利用者の区分支給限度額を超えてしまう場合

② 利用者がサービス機能ごとに対応するスタッフや場所が変わることに抵抗がある場合

③ 緊急時の泊まりを対応してもらいたい場合

急な泊まり希望の際、短期入所生活介護事業所を居宅ケアマネが探すがすぐに見つからないことが多い。

④ 状況により訪問や通いのサービス提供時間を変更してもらいたい場合

例えば、まずは2時間程度の短い時間の通いからはじめて、少しずつ通いの時間を長くしていきたい場合など。介護サービス自体に抵抗がある利用者でよく選択されます。

⑤ 【看多機】頻回な介護保険での訪問看護が必要な場合。

看多機では、「訪問看護」も包括報酬の枠組みに組み込まれます。例えば、糖尿病の利用者でインシュリン注射で頻回な訪問看護が必要なケースや胃ろう造設した利用者で栄養注入で頻回な訪問看護が必要なケースで看多機に依頼がくることが少なくありません。

多機能系サービスの長所として、訪問と通いのサービスを切れ目なく提供することが挙げられます。例えば、認知症の独居の利用者や認知症の日中独居(家族が就労をしており、日中帯は家族が自宅に不在)の利用者で、送迎のお迎え時、自宅で利用者一人となっていることが多く、外出準備や場合によっては起床介助の訪問を合わせて行い、そのままその訪問したスタッフが送迎車に利用者を乗せこみ、通いへ出発することもできます。また、送迎のお送り時、自宅の中まで送迎スタッフが入り、トイレ介助や場合によっては就寝介助、テーブルの上に夕食の準備までの訪問を行い、自宅を退出することもできます。対応するスタッフが変わらずに訪問と通いをスムーズに繋げることで、利用者の細かいニーズに合わせた介護サービスが可能となります。

もう一つ、多機能系サービスの特徴として、通いと泊まりで対応するスタッフや場所が変わらないことが挙げられます。すでにご存じかと思いますが、認知症の利用者は、リロケーションダメージという環境変化による混乱を起こすことが少なくなく、通所介護は穏やかに利用できているが、短期入所生活介護を利用すると、いつも関わっている通所介護のスタッフや場所が変わるため、利用者が落ち着かなくなることがあります。多機能型サービスでは、通いと泊まりで同じスタッフが関わり、また場所も基本通いと同じところで泊まりを行うため、環境の変化が少なく泊まりを利用することができます。

区分支給限度額の単位数の問題だけでなく、上記のような長所を踏まえ、多機能型サービスへの移行を検討することをおすすめ致します。


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